おせちメーカーとして約半世紀の歴史を刻む、恵那銀の森。創業者・
渡邉大作の夢「森と共生したい」という強い想いからゴルフ場跡地を買い
取り、この跡地を森に還す森づくり事業を2020年にスタートさせました。
このブログでは、この事業を担う、私たち「3代目森の番人」2名の夢と希望、
ワクワクだけでなく、苦悩やつぶやきもお伝えしたいと思います。
今回は、現在進んでいる森づくり計画について、ご報告させてください。
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昨年夏、私たちは森づくりをしていく方向性のひとつとして、今までに
経験のない、斬新な技法を取り入れることにしました。
その名は、パーマカルチャーデザイン。自然とともに歩み、人も
自然も潤すという、サスティナブルかつ優れた技法です。
ともに歩んでくださる講師には、合同会社パーマカルチャー
デザインラボの庄司正昭氏を招へい。秋までは、風や水、
太陽、土地の傾斜、土地の履歴などあらゆる側面から
ゴルフ場跡地を解剖し、それと並行して、コンセプトを
どのようにしていくか、悩みつつもまとめてきました。
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その後、晴れて森づくり計画がスタートを切れたのは、
11月!しかし私たち三代目森の番人は、ここで大きな大きな
”壁”にぶつかります。
会議室にこもって、考え、考え、考え抜いて、図面づくり。
でも、まったく図面に落とせないのです。
「テラスがあったら、ここでハーブティーが飲めるかな」
「ここに道をつけたら、行き来できるね」
「しっかり土づくりの様子を見てもらいたい」
「管理のための車道と、散歩道をどこに配置しようか」
ふわふわと、浮かんでは消えるアイデア…。
それもそのはず。これまで、私たちふたりは自然ガイドや林業の
経験こそあれど、造園経験や大規模な自然の管理経験、施工経験も
なく、実現するための視界がまったく開けなかったのです。
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特にパーマカルチャーデザインの難しいところは、単に施設や
植栽をつくればいいのではなく、そこになるべく多くの
意味合いを持たせることを求められます。
たとえば、ベンチをつくるならその下が枝葉を入れるコンポストに
なっている。植林するならば、それが防風や日陰づくり、収穫を
兼ねるものにする…といったように。
こうした「多重性」を奏でる設計を組み込んでいくことを
求められます。図面だけで考えるのは非常に難しいため、
私たちは会議室とフィールドを行ったり来たり…。
その様子は、まるでウロウロ、オロオロする獣のよう
だったのではと思います(笑)
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頭がこんがらがり、カオス状態になった私たち。
なんとか感覚をつかむため、フィールドにロープを設置し、
散歩道やガーデンの大きさをつかむよう励みました。
こうしてほんのわずかずつながら、計画が
進んでいます。
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年末、年明けとすでに合宿体制を敷いて進める、森づくり計画。
正直なところ、ガーデンデザインを現実にしていくためには、
まだまだ乗り越えるべきハードルがてんこもりです。
皆さんをお招きし、笑顔になっていただくためには、
どうすれば使いやすいものになるのか。
単に使いやすいだけでなく、どのように自然に
配慮するのか。
車を乗り入れるエリアは、どのように養生すればいいのか。
人はどのくらいの人数をお招きできるようにするのか。
建物をつくるなら、どうやってアクセスしていただくのか。
そのための駐車場は…
日々こうしたことを考えていくと、つねに混乱(錯乱?)している
状態に。大変な負担がのしかかっている…といっても、なかなか
この苦労は、文面で伝わるものではありません。
それでもあきらめずに取り組めるのは、小さいながら一歩一歩未来に
向かって進んでいる…というわずかながらの光明があってこそ。
必ずや、皆さんを笑顔にする森をつくれるよう、
これからも計画業務にまい進します!!
恵那銀の森は、人と森が共生できる社会を目指し、人と森をつなぐ場所づくりの
ひとつとして、閉鎖されたゴルフ場を人が集える場所にしていく「森づくり事業」
を進めています。 いつの日が子どもの笑顔があふれ、人々が森の癒しを感じて
もらえる森ができる日まで。私たちの取り組みは続いていきます。
http://ginnomori.info/shisetsu/ginnomori_vision.htm