桃の節句、端午の節句…家族が揃い、お祝いする節句の行事。それは平安時代から今につながる日本の美しい風習です。四季の移り変わりと寄り添い、自然と共に生きてきた日本人は、暦のうえの五つの節目を「五節句」として、お祝いするようになりました。神に感謝し、季節の恵みを捧げ祈ります。そしてお祝いの宴、「節会」を楽しみました。
旬の素材をつかい、手間をかけ、喜びの心を表現した特別な料理を愛する家族や、良き仲間と分かち合う。お正月のおせちには、今も伝えられてきた先人の思いがしっかりと息づいています。『五節會(ごせちえ)』では、そんな素晴らしい日本の文化・風習を伝えていきたいと考えています。
五節會とは季節ごとの五つの節句のお祝いのこと。その由来は古く奈良時代以前からともいわれ、 平安時代に盛んになりました。陰陽道により奇数月の数字の重なる日が節句とされましたが、暦がはじまる特別な節目である一月だけは、お正月行事が一区切りする七日を節日として、五節句となりました。
おせち料理、元々はお重に詰めるものではありませんでした。神さまといただく基本の揃えは、お屠蘇、祝い肴三種(三つ肴)、雑煮、煮しめ。祝い肴三種は、地方によって異なります。関東では、数の子、黒豆、田作り。関西では、数の子、田作り、たたきゴボウとされていました。