おせちメーカーとして約半世紀の歴史を刻む、恵那銀の森。創業者・
渡邉大作の夢「森と共生したい」という強い想いからゴルフ場跡地を買い
取り、この跡地を森に還す森づくり事業を2020年にスタートさせました。
このブログでは、この事業を担う、私たち「3代目森の番人」2名の夢と希望、
ワクワクだけでなく、苦悩やつぶやきもお伝えしたいと思います。
今回は、植物の深~い根っこのお話を、お伝えしたいと思います。
厳しい寒さが続く恵那峡の森。最近の森の番人はというと…のうのうと冬眠とはいかず、
野外での森林整備に勤しんでおりました。それと並行して学んでいたのは、樹木の
根っこのこと。森が育つには、どのくらいの厚みの土が必要なのか。どんな土が
適しているのか。樹木ごとの根っこの広がり方は…。そんなリサーチをしつつ、
頭を悩ませていたわけです。
ちなみにこの本は、『最新樹木根系図説』(誠文堂新光社)。実際に掘った木々の
根っこの写真やその移植方法、屋上庭園の構造まで網羅する超マニアックな図鑑で
あり、1冊の定価が8万円(税抜き)というエライこっちゃな大図鑑です。これを
揃えている中津川市立図書館はすばらしい。さすが森林面積が約80%を占める街です!
(お世話になります!!)
さて、そんな地道な学習のなか、久しぶりにドングリの苗畑を訪れました。これは
将来の森づくりに活かそうと、地元幼・保育園の子どもたちとともに植え付けたもの。
霜や寒さにも負けず、元気に育っていました。ただ、そこで気になったのは、通路に
生える元気な雑草たち…。昨年は梅雨の影響で大繁殖し、抜いて積んでおいたら
復活するというパワフルさ。その後抜きなおすという、憂き目を見たのです。
そこで、今年は同じ目には遭わないぞとばかりに抜き始めましたが、その作業中に
思わず唸ってしまいました。というのは、草一本一本の根っこのカタチがあまりに
違うのです。そうです、これぞ今まさに勉強中の「根っこの違い」なのでした!!
ちなみにこちらは春の七草・はこべに近い仲間のオランダミミナグサ(ナデシコ科)。
これはゴショゴショっとまとまる形で、土を保持するのに特化しているみたい…。
ナデシコジャパン(ジャパンじゃないけど…)は抱擁力強めと見た!
こちら、ミソハギの仲間のような葉っぱの持ち主は、地上部は拡がりますが、根は
ゴショゴショ系。この勝手なあいまい造語「ゴショゴショ系」については、抜くのは
そこまで難しくありませんので、ナデシコ科と同様に、土の保持力は◎、本体の
保持力は△と表現できそうです。
やっぱり抜くのが難しいのは、こうした「フカブカ系」(これも造語)ですね。土の
中で幅を利かせる?タイプではなさそうですが、とにかくしっかり根付く、根付く!
調べてみると、私たちの食卓にのぼるお米(イネ)、ドングリの仲間もフカブカ系の
ようです。なお、土の保持力は〇、本体の保持力は◎といったところでしょうか。
ドングリの木がばったり倒れているシーンに出会うことが少ないのは、根っこにも
ヒミツがあるのですね。
そして圧巻は、「ダイコン系」…。この太くて立派な根っこ、抜きにくさはMAX!
引き抜く途中で折れることも多く、完全に抜こうと思うと、かなりの手間ひまが。
(※カンペキに抜けたときの爽快感もMAX!です!笑)土はあまり抱き込まないので
土の保持力は△。でも本体の保持力は、文句なしの◎◎◎!樹木でこの構造は、あまり
見られないように思いますが…。
普段はなんとなく抜いていた雑草たち(ゴメンナサイ)。森の縮図ともいえる彼らの
根っこが雄弁に語るのは、それぞれのこだわりや生きざまが大切だということ。
森づくりを担う私たちは、木々の見えない世界、つまりアンダーグラウンドにも
耳をすませなければならないようです‥。これをヤレヤレというか、ワクワクというか。
私たちは後者のスタンスで、森の可能性を膨らませたいな、と思ったのでした。
恵那銀の森は、人と森が共生できる社会を目指し、人と森をつなぐ場所づくりの
ひとつとして、閉鎖されたゴルフ場を人が集える場所にしていく「森づくり事業」
を進めています。 いつの日が子どもの笑顔があふれ、人々が森の癒しを感じて
もらえる森ができる日まで。私たちの取り組みは続いていきます。
http://ginnomori.info/shisetsu/ginnomori_vision.htm