恵那 銀の森 公式ブログ

岐阜県の恵那山のふもと「恵那 銀の森」。四季折々の季節を告げる木々と小川のせせらぎに包まれた小さな森の中で、おいしい・のんびり・たのしい時間をお過ごしください。

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森のアートと人と人

投稿日:2022年10月14日 更新日:

おせちメーカーとして約半世紀の歴史を刻む、恵那銀の森。
創業者・渡邉大作の夢「森と共生したい」という強い想いから
ゴルフ場跡地を買い取り、この跡地を森に還す森づくり事業を2020年にスタートさせました。

このブログでは、この事業を担う、私たち「3代目森の番人」2名の夢と希望、ワクワクだけでなく、苦悩やつぶやきもお伝えしたいと思います。


今回は、森から生まれたアートにまつわる話をさせてください。

この秋、恵那銀の森に6匹のかわいい仲間がやってきました♪
うさぎ
たぬき
くま
残りの動物は来てのお楽しみ!

そしてこれらの動物たち、実は新工場建設時に伐り出された
ヒマラヤスギという木を削ってつくられた、チェーンソーアートなんです!

つくってくださったのは、望月鮎佳さん。
偶然彼女が作品づくりをしている現場に遭遇し、面白そう!と思わず声をかけたのが、
出会いのきっかけでした。

制作の様子


木を使った等身大の動物を中心に制作活動を続けてこられている望月さん。
話を聞くと、彼女の作品づくりに対する姿勢と想い(最後に紹介します)はとても素敵で、
きっとこの木々たちも喜んでいるに違いないだろうな〜と嬉しくなっちゃいました。
と言うのも、実はこの木々たち、行き場に困って積み置かれていたんです。

産業廃棄物として処分する?という話も出ていたんですが、
木がこんなに大きくなるまでの軌跡を想像すると、何かに活かしたいなと〜思っていました。
そんな時に素敵なアーティストさんとの偶然の出会い。
つくっていただいた素敵な作品を見た瞬間!
やっぱり人の縁だな〜と、そのありがたさにあらためて感謝しました。


森って、人と人が繋がることで、もっと素敵なものになっていく。
そう信じて、これからも銀の森の森づくり活動は続いていきます。


最後に、望月さんの作品づくりに対する想いをご紹介します。

「木と私」
森は、多くの恵みを与え、私たちの暮らしを支えています。私は木を使った作品を作る作家の1人です。これまでは、自身の体験や出会いから、等身大の動物を中心に制作活動を続けてきました。
木は、生き物の生命感や温もりを表現するのにぴったりで、作品作りにおいて無くてはならない存在です。これまで出会った木たちには、いつも驚かされてばかりで、新たな発見も多く、飽きる事がありません。「あぁ、やわらかいこと。素直で優しいのね。虫のすみかになって、さぞかし虫も居心地が良かっただろう…」なんて心の中で木と対話をします。芯の硬い頑固な木や、ねじれた個性的な木、色も形も性格も様々で、まるで人間のようです。私がむしゃくしゃした気持ちで制作に向かっている時は、木も言うことを聞かず、こちらの一方的で身勝手なやり方に対して、思い通りにならない事を伝えてくれます。不思議と木に向かっていると心が穏やかになり、気持ちも落ち着いてきた頃には、イメージしていた形ができてくるのです。言葉にはできませんが、木が全て教えてくれていると感じます。実際、頭で完成をイメージしていても、木によって違ったものになることもあります。(自分のテクニックのなさが問題かも知れませんが、、笑)
私の中で森林が身近にあるわけではなく、いつも既に切り倒された後の丸太を見ては、どんな所にいて、どんな葉や実をつけ、これまでどんな歴史を見てきたのだろう、と想像してきました。ただ、私は今まで目の前の丸太にばかり気を取られ、その背景にまで考えが至らなかったと反省もしています。
私の叔父は、中津川の森林組合に長らく勤めています。森林の作業現場は大変過酷なものだといいます。危険な虫や獣との遭遇、天候によって作業が困難になるなど、今もなお人間が立ち入ることのできない険しい山道に入り、豊富な知識と経験で必要な材を切り出し、運んでいる様子が浮かびます。木の大きさや重みも相当なものですから、常に危険と隣り合わせで現場で作業される組合の方々、運搬される方、加工される方にただただ敬服するばかりです。木を手に入れると言う事は簡単なものではなく、たくさんの苦労があってのものだと改めて感謝するとともに大切にしなければならない資源だと感じました。
この度、銀の森の森の番人さんとの出会いはありがたいものでした。確かにそこで育っていた木たち。ノミを入れた感触が心地良く、広大な敷地のなかでのびのびと生きていたのだと木が教えてくれました。工場建設のために伐採され、処分されようとしている状況から、作品として残せたことは、木を生かすお手伝い(救出?)ができた気がして、喜びと責任のようなものを感じながら制作に取りかかりました。
樹種は「ヒマラヤスギ」。これもまた初めての出会いでした。彫刻としては木目が粗い方なので、向き不向きがあるかと思いますが、私との相性は抜群!甘〜い香りで包み込んでくれるので心地よく制作ができました。今回の作品は、銀の森をイメージした、森の動物たちです。深刻な森の現状から、人里に現れる野生の動物たち。彼らは一見可愛い顔をしていますが、自然からの警告として重く受け止めています。動物の愛らしさと、心の叫びを感じてもらえるような作品を目指しました。木肌のやわらかさや香りなど木本来の良さが感じられるように着色は最小限に抑え、ほとんどチェンソーを使って仕上げました。表面はかなり荒々しいですが、ぜひ触って木の温もりや香りを感じなから木との対話を楽しんでもらえたら嬉しいです。これからも木と人を繋ぐお手伝いができるように、制作を続けていきます。

恵那銀の森は、人と森が共生できる社会を目指し、人と森をつなぐ
場所づくりのひとつとして、閉鎖されたゴルフ場を人が集える場所に
していく「森づくり事業」を進めています。 いつの日が子どもの笑顔が
あふれ、人々が森の癒しを感じてもらえる森ができる日まで。
私たちの取り組みは続いていきます。
http://ginnomori.info/shisetsu/ginnomori_vision.html


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